ごん助さん【中編】

ごん助さん【中編】

前編では今までの軌跡、株との出会い、トレードについてなど、様々なお話を伺いましたが 中編ではもう少し踏み込んで、トレーダーという職業についての考え方等を伺いました。 [ 聞き手 M:森大佑(シンクメディア) / T:次山嘉一(ネクスティー)]
M:トレーダーという仕事は、結果を出して初めてお金が入ってくる職業ですよね。 定期的に決まった給料が入ってくる訳では無いし、いくら頑張ってもマイナスの時もありますよね。 収支としては不安定で、不安な部分も凄く多いかと思います。 そういった事を毎日抱えながら生活をする訳ですよね。 それについてはどう思っていますか?
「不安」
G:それは、不安ですよ。 特に調子が悪い時はこの先不安になります。 先ほども話しましたがリーマンショックの時はホント不安でした。 でも、そういう時はより本業に集中すべきなんだと今回学びました。

今回は僕、少し逃げてしまったので・・・。 逃げたというか気分を変える為、海外に行ったりと、少し研究を怠った部分がありました。 気分を一新する上では、それも良かったのですが、 もう少し向き合って研究すべきだったと今は思っています。

リーマンショックでは買った理由が否定されたらスグ損切りしなきゃいけないって事を痛感しました。 政府やFRBが何かしらの政策を出してくるだろうなと思って買ったのですが直後に何も材料が出なかった時点で、 ちゃんと損切っておけば大きな傷にはならなかったと反省しました。 基本ですが理由があって買う。それがダメだったら切るということですね。
T:そうですか。その他で最近意識している事はありますか?
「自分で考えたことを重視しよう」
G:そうですね。後はアナリストや他の投資家の話はあまり信じ過ぎないようにしています。 自信満々に言っている人もいますが、間違っていたり、何かしらのバイアスがかかっていたりする事もありますから 何より自分で考えたことを重視しようと思っています。 五年もやっていると具体的なやり方に関してはいっぱいありますからね。
-トレードは感覚?学問?-
T:少し話は変わりますが、少し聞きたかった事があるんです。 トレード(特にデイトレード)について、人によってはアートの側面(感覚的なもの・センス)が大きく作用すると言う人もいますし、 学問的な側面が大きいって人もいますよね。 ごん助さんは、トレードって学問的なものと感覚的なもの、どっちの側面が大きいと思いますか?
G:そうですね。感覚っていうのは、直感で判断してって感じですよね。 誰に聞いたかは忘れてしまったんですが、直感って言うのは、凄い速いスピードで頭の中で計算して出た結果が直感らしいんですよね。 そう考えると一緒のものなのかなと思ったりします。
T:なるほど。
G:素早く計算しているから瞬時に答えが出るので感覚に思える。 それをつきつめると、そこには定式化されたものが見えてくるんじゃないですか。
T:なるほど、いい話ですね。 少なくともごん助さんの職業の中では、 アートと言う言葉を使っても理論としての裏付けという言葉を使ってもほぼ同じ事を言っているだろうって事ですよね?
G:言葉にするのが上手いかどうかなのかだと思うんですけどね。 本当のアートの世界は、画家とか音楽家とかはどうなんですかね? 例えば、画家が絵を直感で描いているとして、その直感を分解していくと絵の描き方とかは言葉でしっかり説明できたりするんですかね?
M:どうなんでしょう。 僕は、頭の中で計算する際の根本的な計算式に独自の感覚が影響してると思うので、 その原理を分解出来たとして、説明は出来ても、それはその人しか描けない事になるんじゃないかと思いますが。
G:あぁ、確かに。選び方とか、どういう考え方を持ってくるとか。 そういうのは人それぞれのセンスですよね。
M:でも、面白いですね。学問的なものが蓄積されて、それが感覚にも繋がってくるって事ですよね。
G:詳しい訳ではないですが、レオナルド・ダヴィンチは芸術家でもあり、科学者でもありますよね。 作品を作る際も色々な計算式等を駆使して創作していたんじゃないかと想像した事があります。 そういった意味でアーティストも色々と計算してるんじゃないですか。
M:前に知人から、物事の原理を理解していればそれが全てに当てはまるって話を聞いた事があります。 いわゆる天才って言われてた人は原理を深く理解しているって。
G:なるほど。
M:例えば投資でやってる事の仕組みを理解していれば、その仕組みや手法、考え方を 他の仕事や他の事にも色々と当てはめれますよね。 でも、単純に買うとか売る事でしか考えてないと、応用が利かないというか 買うか売る以外のことには当てはめる事が出来ないというか。
これは投資に限った事ではないですが、その辺の感覚の違いが人によって大きく差があるのかなと思います。 ごん助さんはそういった面にも理解が深いのかなと思っています。
-投資家という職業について-
M:トレーダーという仕事についてはどう思っていますか?
G:そうですね。あんまり前向きな考えではないですが、 今までの色々な経緯を見ていると、日本の社会ではトレーダーという職業が中々認められないという事が分かったので、 目立たず、あまり前に出過ぎるべきではないなと考えてます。
ただ、社会的地位などは全く無いので、その辺の事は何とかしないといけないなと思っていますが、 中々難しいところですね。
M:自分的にはどう思われますか?社会に認められないからとかではなく、本心では?
G:色んな事を考えるんですけど、まだ分からないんですよ。 ただ、昔はこの職業に誇りを持ってって考えていたんですが、今は少し後ろ向きですね。 やっぱり世間的にあまりいい印象では無いですよね。クリック一つでみたいに言われますから。
歴史を振り返ってみても江戸時代では士農工商で商人が一番下だったりするじゃないですか。 そういった風潮は今も昔も変わらずあるのかなと。
T:なるほど。日本の国民性なのかもしれないですが、 楽して稼いでるっていう風に思われがちな風潮があるし、 きっとそれを変えるのは凄く大きなエネルギーがいる事ですよね。 だからそれを受け入れるしかないのかなっていう事なんですかね。
G:そうですね。しかしその中で成果が出れば、大きなリターンがあるので そこで報われてるかなと思っています。 自分はそれで満足です。
T:へぇ。それはその世界にいないと分からない事ですね。
僕は、自分が自信を持ってやっている事が認められないって事はとても苦しい事だと思うんですよ。 勉強もして、努力もして、結果を出して。
別にそれが世の中に悪影響を与えてるって人もいるかもしれないけど、 ちゃんと意義を持って仕事をしてる訳ですよね。 それが受け入れられないって事は、悔しいって思うと思います。
ただ、それだけのリターンがあるからそれを我慢出来るんだって事が僕にはまだ分からないのですが。 僕だったら、変えたいっとか、分かってもらいたいって気持ちの方が大きいと思います。 その辺はごん助さんだからそう思えるのかもしれませんね。
G:最近はそういう考えです。このテーマに関しては自分の中で変化していくかもしれません。
M:でも、話を聞いてみるとごん助さんらしい気がしますね。
G:性格とかもあるのかもしれないですね。 いけいけな人もいれば、メディアにも殆ど出てこない人とか、色々な人がいると思うんですけど、 僕の場合、あまり前に出る性格ではなかったのでそういう考えなのかもしれません。
T:やっぱりそういった意味では、中々報われない仕事ではあると思いますか?
G:僕の中ではもし成果が出れば資産のリターンがあるので、それ以上は望まないですね。 今のところは社会的なものに報われないから経験した辛い思いはあまり無いですし。
もしかしたら、結婚とか、これから年齢を重ねるにつれ、そういう悩みが大きくなるかもしれないですね。 ちなみにBNF氏(個人資産200億の個人投資家)はホントに無欲な感じですよね。
T:どういった気持ちでこの仕事をやっているのかといった話は、今日聞きたかったテーマの一つなんです。 今日話をお聞きして知ったのが、そこまで前のめりでは無く、資産のリターンがあるからやってるという事なんですね。
G:そうですね。社会的に色々と言われつつも、それに見合ったリターンがあるのでやっていけるのでしょう。
ある程度余裕があれば、後は自分次第で幸せに暮らしていけるのかなと感じていますし。
T:いや、面白いですね。この企画を始めた時に、今の時代だから成り立つ生活スタイルだったり こういった人がいるんだよってのが紹介出来ればと思ったのですが、まさにそういう事ですよね。
G:社会的な地位が欲しければ、他にも色々な方法があると思うのですが、 今、楽しく充実した暮らしが出来ているのでこの生活が気に入っているんです。 特に時間的な余裕もあるのが恵まれてると感じているので、あまり多く望まないようにしてるんですけどね。 こんなに恵まれている仕事なんて中々無いじゃないですか。
T:では今の段階ではこの仕事をずっと続けようと思ってるんですか?
G:体力が続く限り。
この仕事は皆さんが思っている以上に体力を消耗するんです。今はいいですが今後は体力が持つか不安です。 なので今の段階では、30歳位までは、続けようと思っていますが、その先は分からないです。 何かをきっかけに違う事をやっているかもしれません。
「トレーダーから投資家へ」
T:今後の仕事においてのビジョンや目標はあるんですか?
G:今は新興国投資とか、海外株とかも含めてトレーダーから徐々に投資家になりたいですね。
M:以前、旅行しながら色々な国を見て投資していきたいと話していましたよね?
G:そうですね。そういった生活が出来たら理想かなと思います。 そしてトレードのやり方とか成績では無くて、色々な情報を発信する仕事に興味があります。 例えば、中国の今の情勢とかを取材しに行って、発信するような仕事がやってみたいなと思いますね。
M・T:へぇ、面白いですね。
G:まぁ、既にやってる人はいるので新しくも何とも無いんですが。 ただ、だからといってあまり危険なところには行きたくは無いという中途半端な奴なんです(笑)
ジム・ロジャースはその国に行ったら、一番危険な所に行くらしいですよ。 例えば日本だったら歌舞伎町に行って、治安をみるらしいです。
M・T:面白いですね。でも護衛付けてるんじゃないですか。
G:かもしれないですが、ジム・ロジャースは2,3年軍隊に所属してるんですよ。
M:へぇ、じゃぁごん助さんが武術を学びだしたら、あぁ、行くんだなって思いますね(笑)
G:かもしれないですね(笑)
次回後編では、ごん助さんの日常生活、そして今後のビジョンについて詳しく伺います。
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